世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

2021-01-01から1年間の記事一覧

▼真珠湾攻撃 姜尚中の誤った発言

▼2021年12月12日放送の「サンデーモーニング」(TBSテレビ)は、80年前の真珠湾攻撃(1941年12月8日)を取り上げていました。出演していた姜尚中のその際の発言は、問題のあるものでした。2点述べます。 ① 明らかな誤り 姜尚中の発言「(日本軍は)真珠湾よ…

★「眞子さまの乱」のゆくえ

<「眞子さまの乱」は、何を私たちに突き付けたのでしょうか? 憲法との関連で若干考えてみます。> ★結婚した小室眞子さん・圭さんは、ニューヨークでの生活を始めています。眞子さんは、皇籍を離脱することによって、日本国憲法第22条の「居住・移転・職業…

★ナポレオン3世の第二帝政をどう捉えるか

★ナポレオン3世の第二帝政(1852~70)の捉え方は、この30年ほどで大きく変わりました。 ★以前は、ルイ・ナポレオンという「取るに足りない人物」(マルクスの評)が、ナポレオン1世の甥であることを宣伝しながら、階級対立の調停を装って権力を握り(「ボ…

▼政治・経済・社会の再編を【2年連続の首相退陣】

※最終更新 2021/9/8 ▼9月3日、菅首相が9月末の自民党総裁選挙への不出馬を表明しました。緊急事態宣言を発出したリーダーが、宣言を解除できないまま、実質的な辞意表明をするという異常な事態になってしまいました。「新型コロナ対策に専念するため不出…

★世界史的視野を持った「日本宗教史」・「日本思想史」へ

◆少し前ですが、毎日新聞に居駒永幸著『イギリス祭り紀行』(冨山房インターナショナル)の紹介が載っていました[6月5日付]。著者がイギリスの祭りの中に「キリスト教以前の文化の古層、森や樹木の生命力への信仰」を見出し、日本文化との共通性に感動し…

★考えさせられる、カントの言葉

●いま、世界も日本も、あまりに混沌としています。コロナ禍が続き(日本は危機的な状況です)、気候危機も顕在化してきていて、先が見えません。 ●カントの言葉を、理性批判というカント哲学の文脈から切り離し、現在に引きつけて一般化しても、理解を誤ると…

▼「メダルラッシュの Japan 」と「感染爆発の悲惨な Japan 」

▼新型コロナウイルスによるパンデミックの渦中で開催されたオリンピックが終わろうとしています。「聖なる火」が灯る中で、開催都市 Tokyo・開催国 Japanでは爆発的感染拡大が起きています。 ▼大会の運営に携わった人たちは大変だったと思いますが、1896年以…

【爆発的感染拡大の中でオリンピックが開催されているという、奇妙で恐ろしい現実】

◆新型コロナの爆発的感染拡大が続いています。 東京都の新規感染者は、7/28・29・30と3日連続で 3,000 人台となりました。まもなく 4,000 人台、 5,000 人台になっていくのではないかと思います。 全国の新規感染者は、7/29・30と1万人を超えています。2…

【パンデミックの中の「聖なる火」・「聖化された身体(活動)」】オリンピックが開会、感染も急激に拡大

【 追記 2021/7/27 】 <不祥事が続く中での開会式> ◆コロナ禍でのオリンピック・パラリンピック開催は、「困難に立ち向かう強さ」なのでしょうか? それとも、「悲惨な状況に突っ込んでいく愚かさ」なのでしょうか? ◆東京都に緊急事態宣言が出される中[…

★「祭典」の魔力(フランス革命、ナチズム、そして五輪)

◆2021年の東京オリンピック・パラリンピックは、感染拡大の懸念が増す中、強行開催されるようです。「負の遺産」とならなければいいのですが。 ◆フランス革命、ナチズム、オリンピックを一緒くたにして論ずることの危険性は承知しています。自由・平等を掲げ…

★中国共産党100年、そして来年は清朝滅亡から110年

◆現在イギリスで行われているG7サミットの陰の主役は中国だと言われています。現在の中国を、そして近現代の中国をどう捉えるべきなのでしょうか。 ◆来月(2021年7月)には、中国共産党創建100周年の記念行事が華々しく行われようとしています。多分そのた…

▼<ディアロゴス>のない日本政治の中で、尾身会長の提言は

▼今日、2年ぶりに党首討論が行われました。期待はせずにテレビを見たのですが、貧しい日本政治の実態があまりにもよく表れていました。 ▼菅首相と枝野代表の討論には30分とられていたのですが、首相はほぼ6割の時間を、質問に対する答えではなく、自分のス…

★ブラック? アフリカン・アメリカン?

◆昨年アメリカでは ❝ Black Lives Matter ❞ という運動が大きくなりました。日本では「黒人の命も大切だ」と訳されることが多かったと思います。 ◆村上春樹は『私だったら「黒人だって生きている」と訳す』と言っていましたが、「黒人の命も大切だ」には「な…

★フランスの革命とカリブ海域植民地

【第一共和政における奴隷制度廃止】 ◆忘れられがちですが、フランス革命中の1794年2月4日は記念すべき日付です。フランス領サン・ドマングの代表3人が国民公会に出席し、「黒人奴隷制廃止決議」を目撃したのでした。 ◆1791年からの黒人奴隷の反乱という…

【昔は今・疫病】まるで太平洋戦争の時のよう?:オリ・パラ中止の決断の遅れ

◆東京オリンピック・パラリンピックまで70日余りとなりました。全国に感染が拡大し医療崩壊が起きている中、またワクチン接種が遅れに遅れている中、政府や組織委員会、東京都は、まだ中止の判断を下せないままです。菅首相は「感染対策をしっかり行い、予…

【昔は今・疫病】「いずれにしても」私たちはコロナ収束の希望を持てず、重症者・死者が…(2021/5/8)

※「いずれにしても」は、菅首相や西村大臣が多用している言葉です。お二人とも、論点をぼかしたり、ずらしたりすることが得意ですので(それが「政治」だと思っているらしいのです)、「いずれにしても」を多用することになるのでしょう。 ▼東京都・大阪府・…

[【昔は今・疫病】危機つづく大阪・兵庫、重症者数は過去最多に(2021/5/5)

▼新型コロナウイルスの変異株の猛威が収まりません。この3週間(4/16~5/5)で、96,000人以上の人が新たに感染しました。今日はゴールデンウィークの最終日でしたが、全国の重症者数は1,114人で、過去最多となりました。 ▼特に大阪府と兵庫県の危…

★エルガーの曲から「バラの国」を思う

◆NHKTVに「名曲アルバム」という5分間の番組があります。先日何気なく見ていたら、エルガーの「チェロ協奏曲」が流れていました。 ◆エドワード・エルガー(1857~1934)は、イギリス音楽を再興した作曲家でした。ヘンリー・パーセル(17世紀後半の復古王政…

【昔は今・疫病】政府は「死を想え」(コロナ死者が1万人超に[2021/4/26])

▼変異ウイルスが猛威をふるい続けています。新型コロナ感染症による死者が、全国で1万人を超えました。5,000人を超えたのが1月23日だったそうですから、この3カ月で5,000人が亡くなったことになります。 ▼大阪や兵庫は、遅すぎた緊急事態宣言…

★サンフランシスコ講和条約から70年という年の日米首脳会談

【最終更新 2021/4/18 20:19】 ★今年(2021年)は、太平洋戦争開始(1941年)から80年、サンフランシスコ講和条約(1951年)で日本が一応独立を回復してから70年という年にあたります。1951年は、朝鮮戦争のさなかでした。ようやくアメリカ軍の占領は終…

【昔は今・疫病】変異ウイルス猛威、このままでは日本各地が悲惨な状態に…(2021/4/15)

◆1週間前にも書きましたが、変異ウイルス(N501Y)が猛威をふるい始めています。感染力が強く、若い世代にも感染が広がっています。重症化もしやすいと言われています。 ◆しかし、政府や分科会の対応は無策そのものです。なぜ強い危機感を持って行動しない…

【昔は今・疫病】日本を襲う変異ウイルス、悲惨な状況になる前にすぐ強力な対策を!(2021/4/7)

☆素人なりに真剣に考えています。(2021/4/7、22:35) ◆大阪府の新規感染者数は激増を続け、今日878人となりました。過去最高です。兵庫県をはじめ、京都府、奈良県、和歌山県も増加しています。 ◆全国の新規感染者数は3,455人で、2カ月ぶりの3,…

◆フランス革命下の中央集権(ヴァンデの反乱と国家語)

★新課程の「歴史総合」、「世界史探究」、「日本史探究」のために。★ ◆フランス革命(1789~99)の後半、共和国政府は革命推進と対外戦争遂行のため、徹底した中央集権化政策をとりました。厳しい中央集権化政策の是非を論じるのは簡単ではありませんが、ヴ…

<昔は今・疫病>すでに第4波です、政府はすぐに強力な対策を!(2021.3.26)

▼桜の開花とともに人出が増え、新型コロナの感染も拡大しています。3月22日に1都3県の緊急事態宣言が解除されたばかりですが、今日、新規感染者は全国で2,000人を超えました。2月6日以来のことです。宮城県、山形県、愛媛県、沖縄県は、すでに緊急…

▼最高裁裁判官の女性割合に関する小さな記事

◆「女性差別撤廃条約実現アクション」など92団体が、最高裁判所裁判官の女性割合を、現在の2名から少なくとも5名(全体の1/3)にするよう、要望書を提出したという記事がありました。(朝日新聞、2021.3.16) ▼非常に重要な要望だと思いました。ただ、…

★『世界の中のフランス史』特集を読んで考えたこと

※最終更新 2021/3/22 10:30 ◆「ナショナル・ヒストリー再考」と題された、「思想」の『世界の中のフランス史』特集号(2021年3月号、岩波書店)を読んでみました。 ◆『世界の中のフランス史』については初めて知ったのですが、2017年に出版され、フランス国…

▼終わらないメルトダウン <東日本大震災から10年>

▼今日は、東日本大震災・福島第一原発事故(2011.3.11)から丸10年にあたります。 ▼人びとの心にも、街にも、野山にも、産業にも、癒えない傷が残っています。岩手県・宮城県・福島県を中心に、22,242人の命が奪われました。「震災関連死」とされる方々は福…

★初期ルネサンスの輝きと混沌【ペトラルカの多面性】

◆初期イタリア・ルネサンスの3人の文学者ダンテ、ボッカチオ、ペトラルカを並べた時、高校生や予備校生が一番覚えづらいのはペトラルカのようです。教える側に、ペトラルカについて説明する余裕がないからだと思います。 ◆また、本来は、ダンテとジョット(…

★女性参政権から100年後黒人女性副大統領が誕生した、「青鞜」から110年後森喜朗発言があった

◆今回は、資料を2つ載せて、歴史を考えたいと思います。 【★1】1920年、アメリカ合衆国では、女性参政権が実現しました。その100年後の記念すべき年(2020年)に、インド・カリブ系女性のカマラ・ハリスが副大統領に選出されました。 <カマラ・ハリスの勝…

【ジェンダー・日本社会・スポーツ】▼困惑しながら10人は思った…[森喜朗発言➡橋本聖子]

◆Aさん(男性) 「マスコミが騒ぎ過ぎだよ。去年、うちの町内会の会長も言ってた。役員に女が増えて、役員会が長くなったって。ま、町内会レベルの意識がずっと政界のトップのほうまでつながってるってことかな。しょうがないよ、それが日本だもの。」 ◆Bさ…