世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

★「眞子さまの乱」のゆくえ

 

<「眞子さまの乱」は、何を私たちに突き付けたのでしょうか? 憲法との関連で若干考えてみます。>

 

★結婚した小室眞子さん・圭さんは、ニューヨークでの生活を始めています。眞子さんは、皇籍を離脱することによって、日本国憲法第22条の「居住・移転・職業選択の自由、外国移住の自由」を獲得したわけです。

 

【「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として(以下略)」(日本国憲法第24条)】

 

★「眞子さまの乱」が起きて以降、この条文はいろいろな方によって確認されてきました。

 

田中優子も、TBSの「サンデーモーニング」でこの条文について語っていました。ただ、そのあと、話題が世界各地の人権問題に移ると、「切りがないのですが」と言っていました。なぜ「(人権問題は)切りがない」などと言ってしまったのでしょう? エスタブリッシュメントとなった彼女をよく表した言葉だったと思います。

 

森まゆみ朝日新聞で述べていたように、眞子さんの両親も、叔父夫妻も、祖父母も恋愛結婚だったのですから、眞子さんとしては自然の流れだったのでしょう。ただ今回は、「男性皇族と一般女性の恋愛」ではありませんでした。「女性皇族の一般男性との恋愛」だったため、国民の耳目を集めました。象徴天皇制下で初めてのことでしたから、秋篠宮家も、皇室全体としても、対処が難しかったのだろうと思います。

 

【「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」(日本国憲法第21条)】

 

★「眞子さまの乱」をめぐる報道は過熱しましたが、この条文も確認されてしかるべきだと思います。もう少し節度が必要だったとは思いますが、皇室報道についてメディアが自粛するようになっては困ります。

 

【「天皇は、日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」(日本国憲法第1条)】

 

日本国憲法の条文を金科玉条のように振りかざすつもりはありませんが、天皇の地位が「主権の存する日本国民の総意に基く」ものであることは、きわめて重要です。したがって、皇室もまた「主権の存する日本国民の総意に基く」ものであることになるでしょう。

 

★「眞子さまの乱」は、この第1条に関わる問題につながっています。メディアの行き過ぎた報道は、天皇制・皇室制度に対する、日本人の不安を表していたのかも知れません。

 

★今後、佳子さまが「姉のように皇籍を離脱したい」と考えることも、あり得ないことではないでしょう。「悠仁さま、愛子さまの結婚はどのようになっていくのか?」、「皇室は存続可能なのか?」、「女性天皇女系天皇も誕生するのか?」等、疑問は尽きません。

 

【「すべて国民は、個人として尊重される。」(日本国憲法第13条)】

 

憲法の「国民」には、皇族も含まれるのでしょうか? 眞子さんは、「個人として」自らの意思を貫くことによって、はからずも、天皇制や皇族がおかれている不透明な状況を露わにしたのでした。

 

★日本の現在のリーダーたちは「先送り」が得意です。しかし、女性天皇女系天皇について「先送り」することは許されない、そういう状況になっていると思います。