世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

【昔は今・疫病】政府は「死を想え」(コロナ死者が1万人超に[2021/4/26])

▼変異ウイルスが猛威をふるい続けています。新型コロナ感染症による死者が、全国で1万人を超えました。5,000人を超えたのが1月23日だったそうですから、この3カ月で5,000人が亡くなったことになります。

 

▼大阪や兵庫は、遅すぎた緊急事態宣言(4/25~)のため、危機が続いています。まだ新規感染者数が減少に転ずる気配はありません。大阪の死者の累計は1,376人ですが、この1週間だけで100人以上が亡くなっています。重症者が急増して、重症者用のベッド数を上回る状態が続いているのです。

 

▼東京[緊急事態宣言(4/25~)]をはじめとした首都圏では、ゴールデンウィーク中に新規感染者数を抑え込めるでしょうか?

 

▼政府や分科会や各知事は「人流を減らさなければ」と言っています。「そうか、ジンリュウって言うんだ」と思いました。人を数量で把握することばです。「物流」と同じように。せめて「人の流れ」と言ってほしいものです。

 

▼緊急事態宣言にもかかわらず、人の流れはあまり減っていません。「今を楽しまなきゃ、ウィズ・コロナって言ってたでしょ」というような気持ちなのでしょうか? 政府・分科会・知事などに対する信頼感も薄れてしまったのかも知れません。

 

▼中世ヨーロッパでペストが大流行した時(14世紀半ば)、「メメント・モリ」(死を想え)と言われました。1万人の人たちはそれぞれどんな思いを持ちながら死んでいったのでしょう? 1人が亡くなれば、家族や友人・知人など、たくさんの人たちが悲しみます。1万の人の死によって、その数十倍、数百倍の悲しみが広がっているのです。

 

▼政府・分科会・各知事は、「人が亡くなるということ」についてもっと想像力を働かせ、不退転の決意で感染を抑え込んでほしいと思います。