世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

▼自宅療養者が相次いで死ぬという事態に【コロナ危機】

 

◆昨日(日曜日)の国内の新規感染者数は3,990人でした。2度目の緊急事態宣言発出直後の1月10日(日)は6,095人でしたので、落ち着いてきたように見えます。緊急事態宣言の効果が少し現れてきたのでしょう。今週後半の数字を見てみないと、まだわかりませんが。

 

◆今後、新規感染者数が毎日3,000人台で推移したとしても、医療の逼迫は続きます。長野県松本市のような、地域全体の病院で分担してコロナ患者を診る体制を、全国で早急につくってほしいものです。緊急事態ですので、「うちの病院はコロナ患者は診ない」というわけにはいかないと思います。そうでなければ、体育館のような所に臨時のコロナ病棟をつくって患者を診る以外に方法はありません。

 

◆政府も、専門家も、マスメディアも、現状を「医療崩壊」とは呼んでいないようです。ただ実態は、「入院患者を制限しているので、医療現場の崩壊は食い止められている」という状況だと思います。

 

◆入院者は、現在64,000人余りです。一方、自宅療養の人や療養先調整中の人が急増しています。毎日新聞によれば、自宅療養者が約36,000人、調整中の人が約12,000人に上っています。合わせて約48,000人です。自宅療養者が亡くなったというニュースも相次いでいます。警察庁のまとめでは、自宅で死亡した患者は197人に上るとのことです。

 

◆自宅療養者が相次いで死ぬという事態は、「医療崩壊」でなければ、何と呼ぶべきでしょう? 感染者が多い地域では、自宅や施設で症状が悪化しても、救急搬送さえ困難な状況です。自治体ごとに懸命に工夫をしてくれているようですが、高熱が出ても自宅で耐えているしかない人も多いのです。民間救急に助けを求めざるを得ない人も増えているそうです。

 

◆<治療を受けたくても受けることができない、治療を受けることができずに死んでいく人もいる>、これが日本の現実です。政府の分科会も、無力でした。政府は「入院拒否者への懲役刑」などを検討していますが、そんなことを考えている暇があったら、なんとか病床を増やし、自宅療養者の死を防ぐ努力をすべきでしょう。

 

◆累積の死者数は、すでに中国を上回り、5,200人に近づいています。