世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

【緊急事態宣言3週間】▼死者数・重症者数増加、忘れられた「恥の文化」、高まる緊張度

※データは1/30(土)の分まで更新します。

 

<死者や重症者が増え続けています>

 

◆2回目の緊急事態宣言が出されてから3週間です。1日の新規感染者数(全国)は、3割から4割ぐらい減少しました。効果が表れています。

 

◆一方、死者と重症者は増え続けています。

 緊急事態宣言発出の頃と比較してみました。

 (重症者数は、最も少なかった日と最も多かった日の数字です。)

 

  1/ 3(日)~ 9(土)  死者数計   450人

                 重症者数   714人~  827人

  1/10(日)~16(土)  死者数計   454人

                 重症者数   852人~  965人

 

  1/24(日)~30(土)  死者数計   624人

                 重症者数   974人~1,043人

 

 ※現在、1日に亡くなる人は100人前後です。

  このままの状態が続けば、来週中に累計の死者は6,000人を超えるでしょう。

 ※現在、重症者が1,000人を下回る日はほとんどありません。

 ※累計の感染者数は、来週中に40万人に達するでしょう。

 

 

<昔「恥の文化」がありました>

 

自民党の国会議員と公明党の国会議員が、深夜まで銀座の高級クラブを訪れていたそうです。苦しんでいる人たちがたくさんいるのに、医療現場や保健所などで懸命に頑張っている人たちがたくさんいるのに、よくもそういう行動がとれたものだと思います。失職や減収のため「日々生きるのに精いっぱい」という人たちもたくさんいることを、2人の国会議員は知らないのでしょう。というより、知ろうともしていないのでしょう。

 

▼コロナ対策に関わる法律の「改正」で、「違反した国民には罰金」が決まりました(懲役刑は削除されました)。国会議員2人は「陳謝」で済むようです。【2人を守ろうとする人たちは「そのうち国民は忘れるから心配するな」と言っているでしょう。】本当は歳費のカットが行われてもいいくらいですが、そういうことは話題にも上りません。次のような声が聞かれるでしょう、「国会議員として職責を全うしてまいります」。日本の政治風土からすると、次の選挙で、この人たちも当選するのかも知れません。創価学会員の多くは、今回は怒っていると思いますが。

 

▼かつては、ヨーロッパの「罪の文化」に対して、「恥の文化」が日本の特徴だと言われたりしました。昔は「志士」という語もありました。「経世済民」という語もありました。本来の「保守」というのは、このような感覚を持ち続けることだと思っています。

 

▼しかし、今の日本の「保守」や「保守的中道」の政治家には、「恥」の感覚も「人びとを救うという志」もないようです。かつての日本人は、人間の弱さ・愚かさを自覚していたからこそ、「恥」の感覚を大切にしたのでしょう。「志」という言葉に希望や理想を託し、危機に際して自分を奮い立たせたのでしょう。

 

【「絆」という語は消えかかるり、高まる緊張度】

 

▼2人の国会議員の行動は、平成から続く、令和の「濁世感」(濁った世の中という感じ)を際立たせたように思います(平安時代であれば「末法」でしょう)。東日本大震災原発事故(3月で丸10年です)以来使われた「絆」という語はいつの間にか消えかかり、感染した人・家族への誹謗中傷やマスク着用をめぐるトラブルさえ起きています。

 

▼「絆」という語が忘れ去られるほど、社会的・経済的・心理的な緊張度が高まり、国民の中には不満と不安が蓄積されています。それは内閣支持率にも表れました。政府は、去年春頃の「アビガン」と同じく、「ワクチン接種」を意識的に使い、不満と不安を払拭しようとしています。しかし、ワクチン接種もいくつかの難題にぶつかれば(オリンピック・パラリンピックという難題も控えています)、また感染状況が思ったほど好転しなければ(変異型ウイルスの感染が心配されます)、国民の不満と不安はさらに強まるかも知れません。政治的な緊張度が高まっていると思います。