世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

▼【感染拡大危機なのに首相会食】みんな懸命に生きています、でも政治は劣化…

 

◆12月28日からGo Toトラベルは全国で一時停止ということですが、年末までに感染拡大が収まる要素は見当たりません。これからは、1日の全国の新規感染者数が3,000人を超えるのが普通になっていくのではないでしょうか。まもなく、全国の累積の感染者数は20万人を超えるでしょう。入院患者が増加しているだけでなく、中等症・重症の人たちが増えていますから、医療崩壊が現実のものとなってしまうかも知れません。

 

 ◆今まで、政府は経済の急速な回復に重点をおき、有効な感染対策をとりませんでした。そのため感染が急激に拡大し、かえって多額の国債発行を余儀なくされているのです。しばらくは「ゆるやかな経済回復策」と「強力な感染対策」を組み合わせるべきだったと思います。

 

菅首相の無神経で無責任な行動が波紋を広げています。政府や分科会が5人以上の会食を控えるよう提言している中、菅首相みずから8人で会食していたのでした(14日夜、GoToトラベル一時停止表明の直後)。銀座の高級ステーキ店だったそうです。経費は、まさか公費から支出されているのではないと思いますが。連日のように高級店で会食というのが、首相の日常のようです。とても「国民のために働く内閣」だとは思えません。

 

◆富裕層(TVのコメンテーターの人たちも含まれるでしょう)は別でしょうが、普通の市民の多くは高級ステーキ店とは無縁です。懸命にコロナ禍の日々を送っています。職を失った人たち、収入減で苦しんでいる人たちがたくさんいます。必死で店や会社を維持しようとしている人たちもたくさんいます。医師や看護師や保健所職員には、ずっと重い負担がのしかかっています。感染した人たちとその家族は、苦しんでいます。「Go Toトラベル」どころではない人たちもたくさんいたのです。残念ながら、このような人たちを十分に支えられない政治になっています。前首相からも現首相からも、国民の心に響くメッセージはありません。

 

都道府県レベルでもさまざまな対策をとっていますが、限界があります。政府が人の移動を強力に制限しなければ、感染拡大は止まらないでしょう。言葉だけ「勝負の3週間」と言っていた頃(11/25)、危機感を持って大きな決断をすべきでした。その頃決断し、今は緊急事態宣言中であってもおかしくはなかったのです。そうすれば、年末年始には、感染は少し沈静化したと思います。

 

◆「手のつけられない状況で年末年始を迎える」などということがないよう、祈るばかりです。