世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

★朝日新聞・藤生京子の文章

 

◆時々朝日新聞で藤生京子の署名記事を読んでいますが、信頼できる方だなと思ってきました。3年ほど前の社会学者・見田宗介の追悼記事は、見田の本質を捉えた、すばらしい文章でした。なぜか、小さな扱いでしたが。

 

◆今日の「大佛次郎賞」の紹介記事も、個人的な思いは抑えた(「客観性を持った紹介」を意識した)*、すぐれた文章になっていたと思います。「このような記者がいれば、朝日新聞は大丈夫かな」などと思ってしまいました。

 

◆5人の選考委員の方々の評では、辻原登の文章が出色でした。なお、最近の斎藤美奈子の文章からは生き生きとした「美奈子節」が消えかかっているような気がしていますが、今回の評も大家然とした型通りの結びでした。

 

◆読書量が少ないものですから、大佛次郎賞の受賞作品はほとんど読んでいないのですが、今回の日比野啓『「喜劇」の誕生』は読んでみようかと思っています。

 

*著者の歩みを紹介しながら、さりげなく「68~69年の大学闘争」に触れていますが。同じ朝日の吉田純子の文章もすばらしいです。ただ、音楽評というジャンルのためもあるでしょうが、個人的な思い入れが強く出過ぎていると思います。