世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

2023-01-01から1年間の記事一覧

★「世界史探究」教科書の検討2[新約聖書の言語②](東書・実教では)

◆「検討1」で『新約聖書』の言語に関することをやや詳しく述べましたので、今回は簡潔な指摘にとどめたいと思います。 ◆取り上げる教科書は、東京書籍の『世界史探究』と実教出版の『世界史探究』です。 ◆どちらの教科書も、残念なことに、ヒエロニムスがギ…

★「世界史探究」教科書の検討1[新約聖書の言語①](山川・詳説世界史では)

◆山川出版社の『詳説世界史』は、旧課程版よりは改善されている箇所が多いと思いますが、まだ十分とは言えません。今後さまざまの観点から検討していきたいと思います。(なお、『新世界史』も検討したかったのですが、品切れで手に入りませんでした。予想よ…

▼悲しいです、山川の『歴史総合用語解説』・教科書

◆山川出版社の「歴史総合」教科書の不十分さについては、今まで何度か述べてきました。今回は用語集について述べますが、検討の観点はジェンダーやフェミニズムです。『歴史総合 用語解説』は、山川の教科書3冊をもとに用語を選んでありますので、教科書の…

★クレムリンをウクライナが攻撃?[ 追記 2023/5/7 ]

◆ロシア大統領府は「3日未明、ウクライナの無人機がクレムリンを攻撃した」と発表しました。「大統領の暗殺を狙ったテロ行為だ」とも述べました。ウクライナ側は関与を否定しています。 ◆まだ詳しい報道はありません。事件の真相はやがて明らかになると思い…

▼バラから考え、歴史に学び…[バラ紹介文のジェンダー・バイアス]

◆歴史を学びながら庭でバラを育てていると、バラの歴史や花の美しさについて考えるようになりました。 ◆バラについての本・雑誌・サイトを見ることも多いのですが、気になる表現に出会いましたので、書いておきます。 ◆気になる表現を3つあげます。 ① 新品…

★2年目の「歴史総合」ー困難は続くー

◆昨年度から、高校1年生の必修科目としてスタートした「歴史総合」。昨年から本ブログで指摘してきたことですが[*1]、やはり教え切れなかった(生徒の側からすれば学び切れなかった)学校が多かったようです。 ◆友人(地歴公民科の教員)が、昨年度の2…

★中南米? ラテンアメリカ? 最も適切な呼び方は【「歴史総合」教科書の検討17】

◆メキシコ以南の地域をどう呼ぶのが適切なのか、考えてみます。 ◆東京書籍の「詳解歴史総合」には「地域の歴史」というページがあり、6地域についてそれぞれ1ページ分の解説がなされています。「中南米の多様性」と題されたページの最初に、たいへん重要な…

★ウクライナとロシアの今まで・これから【ロシアの侵攻から1年】[最終更新 2023.2.24]

◆ロシアのウクライナ侵攻開始(2022.2.24)から、まもなく1年になります。ロシアのすさまじい攻撃とウクライナの必死の防衛が続き、情勢は混沌としています。戦争終結どころか、停戦や休戦さえ見通せない状態です。両国の死者の合計は、すでに10万人を超え…

▼探究できるんでしょうか? 新科目「世界史探究」

▼「歴史総合」だけが注目されている印象がありますが、この4月から、高校2・3年生で選択必修となる新科目「世界史探究」、「日本史探究」、「地理探究」の授業が始まります。これらの科目で「探究的な学び」がどう展開されていくのかは、日本の学校教育の…

★できるかな? 斎藤美奈子の批評を見習った授業

◆朝日新聞の最近の読書ページ(毎週土曜日、全3面)はたいへん充実しています。今日も、斎藤美奈子の「旅する文学」から宮田朱己の「気になる雑誌を読んでみた」まで、それぞれの執筆者の批評眼が冴えわたっていました。 ◆斎藤美奈子の連載「旅する文学」は…

★岩間陽子の文章から考える<近代の戦争と文化史> ※最終更新 2023.1.30

◆岩間陽子の『侵攻 飛び交う「歴史の亡霊」』(朝日新聞、2023.1.22付)は、ホロコーストの記憶をめぐって書かれた、説得力ある文章でした(ただ私は、G7に岩間ほど信頼感は持てません)。岩間の文章に関連して、二つのことを述べたいと思います。近代の戦…

★新型コロナ・アニマ・阿吽(あうん)

◆新型コロナウイルスは、変異を繰り返しながら、感染発生から4年目に入っても猛威をふるっています。この3年間で、世界では700万人もの人がこの世を去っています。 ◆日本でも感染者数・死者数とも急増していて、死者は6万3千人を越えました。しかし、政…