世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

★知れば楽しいと思います、ラテンアメリカの文化(しかし「世界史探究」では)

 

ラテンアメリカの文化(正確には「ラテンアメリカカリブ海地域の文化」ですが)については、旧課程の「世界史B」同様、新科目「世界史探究」の教科書もきわめて軽い扱いです。

 

◆東京書籍の『世界史探究』だけが、旧課程の東書版『世界史B』教科書を継承し、きちんと項目を設けて本文で記述しています(内容は旧課程と同じく不十分ですが)。また注ではオクタビオ・パスガルシア・マルケスに触れています。[258ページ]

 

山川出版社の『新世界史』は、簡潔過ぎますが、ラテンアメリカ文化の特色に触れています。[251ページ]

 

ガルシア・マルケスについては、帝国書院の『新詳世界史探究』と実教出版の『世界史探究』もかろうじて触れています。

 

▼また山川出版社の『詳説世界史』は、旧課程の教科書を踏襲し(進歩がありません)、メキシコ壁画運動のみを取り上げています。

 

▼なぜこのような状態が続いているのでしょうか? 世界史なのに、ワールドでもグローバルでもありません。

 

◆画家フリーダ・カーロや作家ルイス・ボルヘス、作曲家ヴィラ・ロボスやタンゴのアストル・ピアソラに触れるような、そしてサンバやボサノヴァやレゲエなどにも触れるような、豊かな世界史を生徒たちは望んでいると思うのですが……。

 

◆なおラテンアメリカは、多数の日本人が移り住んだ地域でもあります。この歴史にきちんと触れているのは、残念ながら、『新詳世界史探究』(帝国書院)のみです。[255ページ]