世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

▼おごれるプーチン :『平家物語』冒頭を思い出します

 

◆ロシア軍のウクライナ侵攻から10日目になります。プーチンは「4~5日でウクライナを降伏させられる」と考えていたようですが、誤算でした。ウクライナの人々は懸命に(文字通り命懸けで)戦っています。

 

◆戦況は予断を許しません。悲しいことですが、マロニエの花が似合う街キエフは瓦礫の山と化し、そこをロシア兵が闊歩するようになる可能性が大です。ウクライナ側は長期のゲリラ戦を強いられるかも知れません。ロシアは、経済制裁に対抗して、狂ったようにサイバー攻撃を行うかも知れません。

 

◆ただもしそうなったとしても、またロシア人の立場に立って考えたとしても、民族的にも宗教的にも「兄弟」であるウクライナに侵攻してたくさんの命を奪ったという罪が消えることはありません。結局は、「プーチンのロシア」の黄昏の始まりになるのではないかと思います。

 

プーチンは歴史から学ばなかったのでしょう。「力を過信したために最後は敗北した者たち」に学ばなかったのでしょう。たとえば、ロベスピエールはたくさんの人を断頭台に送りましたが、最後は断頭台に散りました。ナポレオンはロシア遠征に失敗し、まもなく敗北を喫して流罪となりました。ヒトラーは不可侵条約を破棄してソ連に侵攻し、やがてスターリングラードで敗れて追い詰められていきました。

 

◆『平家物語』の冒頭を思い出しています。「祇園精舎の鐘の声」は「ロシア正教会の鐘の声」に置き換えられるでしょうか。

 

 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。」

 

◆亡くなる人や負傷する人が後を絶ちません。「人道回廊」(住民の避難ルート)設置は必要ですけれども、結果的にはロシア軍の無差別攻撃を助けることに結びつくのではないかと心配です。

 

◆「プーチンのロシア」の黄昏が早く来てほしいと、強く願っています。