世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

▼トランプの「日本からむしりとれ」がもたらすものは

 

▼トランプという外圧にさらされている日本。

 

▼当初関税率と投資で日本をEUと同じ扱いにしなかったのは、アメリカ側の事務的ミス(日本政府の説明)などではなかったと思います。意図的に交渉を長引かせ、アメリカからの輸入とアメリカに有利な日本の投資を確約させたかったのです。

 

▼投資は、当然のことですが、失敗することも想定しなければなりません。日本政府や日本企業が多額の損失をかかえるという事態にならなければいいのですが。日本の投資が失敗しても、トランプは「失敗の責任は日本にある」と言い張るに決まっています。

 

▼トランプの基本路線は「日本からむしりとれ!」であることを忘れてはなりません。トランプには「日本経済が衰えてもかまわない」、「今までアメリカからむしりとってきた報いだ」という考え方があります。今後も、防衛費や米軍基地負担の問題を含めて、さまざまなかたちの「日本いじめ」が続くでしょう。

 

▼「日本いじめ」や「インドいじめ」(関税率50%!)は、日本やインドの国力を弱め(インドは日本よりもしたたかですが)、結果的に中国(すでに貿易全体に占める対米貿易の割合を下げています)の覇権を後押しすることになるでしょう。しかし、愚かなトランプはそんなことには考え及ばないようです。

 

▼戦後80年、トランプという外圧に遭遇して、日本はようやく政治的・経済的・軍事的な「アメリカ依存」からの脱却を考えざるを得ない状況に追い込まれている--今起きているのはそのような事態だと思います。

 

アメリカに依存し保護されながら「自主憲法制定」を唱えてきた、戦後の保守政治の矛盾が露わになっていると言ってもいいと思います。極右の人たちの多くも「アメリカ依存」は前提でしたので、「反米愛国」派は消えていきました。一方、いわゆる護憲派も、「アメリカ依存」から脱却する道は見つけられませんでした。と言うよりも、高度経済成長期以降は、「アメリカ依存からの脱却」という問題意識すら持てなかったのではないかと思います(沖縄の人たちを除いて)。

 

▼情けないことですが、幕末の「開国」や敗戦後の「民主化」と同様、日本は外圧によってしか変われない国なのでしょう。

 

▼もしアメリカの「日本いじめ」と国内の「日本人ファースト」の流れが相互作用を起こした場合、日本はどうなっていくでしょうか? 最も懸念されるのは、日本が軍事大国化の方向に大きく舵を切ることです。すでに舵を切り始めているのかも知れませんが……。