世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

▼「令和」の困難:参院選結果、銃撃事件にまつわる闇[最終更新2022/7/13]

 

参議院議員選挙の結果について】

 

自民党の大勝は、ほぼ各種メディアの予想通りでした。

 

自民党への熱い支持というわけではなかったかも知れません。日本の社会全体に不安感や「薄幸感」がじわじわと広がっている中で、「自民党に託すしかない」という考えの人が多かったのでしょう。人々の不安感や「薄幸感」は、日本維新の会やれいわ新選組の伸び、参政党(実態はわかりません、支持基盤となっている組織があるのでしょうか?)の議席獲得などにも表れたと思います。

 

立憲民主党議席減は、完全な敗北でしょうか、それとも敗れたが踏みとどまったと言うべきでしょうか? いずれにしても、連合の責任(特に会長の責任)はきわめて重大です。他方、公明党共産党の勢力は、頭打ちだと思われます。

 

▼選挙運動の最終盤に、安倍元首相が銃撃を受け死亡するという衝撃的な事件がありました。今後、「安倍元首相の遺志を継ぐ」というかたちで、憲法改正の動きが加速することになるのでしょうか? ただ、日本は内政・外交ともにたくさんの困難な課題に直面していますので、政権は課題の対応に振り回されるでしょう。失政が起きる可能性や「結局は無策だった」と言われる可能性もあると思います。

 

投票率は52%台のようです。前回より少し上がったことを喜ぶよりも、47%の(有権者の半数の)サイレント・マジョリティのことを真剣に考える必要があります。

 

【安倍元首相銃撃事件について】

 

▼何が起きるのかわからないものだと、あらためて思いました。警護はまったく不十分でした。犯人が小銃を自作したということも驚きでした。この事件が歴史の転換点にならないようにしなければなりません。

 

▼犯人の動機についてはこれから詳しく分析されると思います。今の段階で言われているように、主要な動機が「家庭を崩壊させた、特定の宗教団体への恨み」だとすれば、日本社会に広がる不安感や「薄幸感」と無縁ではないでしょう。

 

▼今回の事件は、宗教団体と政治の結びつきについても、再考を迫る出来事ではないかと思います。日本の保守政治が複数の宗教団体と結びつき、その集票機能に頼ってきた面は否定できません。

 

▼「特定の宗教団体」の名が明らかになるにつれ、そして安倍元首相のその宗教団体への関与(祖父・岸信介から続く関与)が明らかになるにつれ、不穏な何かを感じるようになりました。今回の事件は、「令和」という美しい元号(安倍首相の時に決まりました)の時代の闇の存在を、私たちに示しているのかも知れません。

 

▼事件の衝撃が大きかっただけに、しばらくは、保守層を中心に「安倍元首相の偶像化」が起きるでしょう。しかし、「安倍元首相の偶像化」ではとうてい乗り切れないほど、「令和」の日本は困難な諸課題にぶつかっていると思います。