世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

[コロナ禍のメモ]感染急拡大の中、マスメディアはどうなっていくのでしょうか(8/8)

 

◇新規感染者数(全国)

  <7月7日>    ➡    <8月7日>

    211人          1608人

 

◇1カ月前と比べて、すごい増加です。政府が経済活動を最優先し、「感染拡大容認」に舵を切ったことは間違いありません。

 

◇東京の新規感染者は、きのう、今日と400人台です。沖縄は深刻な状態が続いています。国や他県から、沖縄を支援できないものでしょうか? 沖縄以外でも、医療従事者や保健所職員の疲弊の進んでいるところが、たくさんあるのではないかと思います。

 

◆新型ウイルスとのたたかいですのでやむを得ませんが、政府も専門家も決め手を欠いたまま迷走しているように思います。期待していたのですが、分科会や有識者会議は、政府にただ参考意見を述べる組織のようです。きのう分科会が4ステージ・6指標を出しました。でも、あくまで各都道府県が感染状況を判断する「目安」だそうです。政府は「総合的に判断」して対策をとる(あるいは、とらない)とのことです。残念なことですが、政府や分科会から私たちに届くメッセージは、「一人一人が徹底して感染予防に努める」ということだけです。

 

◆感染予防と経済活動の両立という難しい課題に直面しているので大変なことはわかりますが、政府からの「国民の健康と命を徹底して守る」という明確なメッセージと具体的な政策が、早急に必要です。国民はそれを待っていると思います。

 

◇累積の死者数(全国)

  <7月7日>    ➡    <8月7日>

    980人          1044人

 

◇1カ月で64人の方が亡くなりました。

 

◆このような中で、マスメディアはどうあるべきなのでしょうか? 数カ月前あれほど緊急事態宣言を警戒・批判していた朝日新聞は、いまは緊急事態宣言を待ち望んでいるようです。もし考え方を変えたのであれば、社説できちんと説明すべきでしょう。なし崩しに立場を変えていくのはよくありません。残念ながら、感情的な「安倍憎し」の記事はまだ散見されます。

 

◆テレビ各社の報道番組は(すべてを視ているわけではありませんが)、連日危機感に満ちています。ただ、最近は繰り返しの内容が多くなっていますし、登場する専門家の分析も素人の見方とそれほど違いません。テレビ朝日の「モーニングショー」には、ゲストに集中砲火を浴びせるなど、何度か行き過ぎが見られました。番組内で議論に決着をつけようとしているようですが、決着をつける必要はありません。あとは視聴者が判断するのです。そういう意味では、政府寄りの見方のゲストも大切にしてほしいと思います。

 

◆一方、政府に強く要望してきた人を批判したり愚弄したりする言論も、活発になっています。コロナ禍の強い不安が、そのような言動をとらせるのかも知れません。冷静な「百花斉放」ならいいのですが、他者攻撃が常態化すると、人びとの心は荒んでいきます。コロナ禍の混乱に拍車をかけるようになるのではないかと心配しています。

 

◆今朝の「ウェークアップぷらす」(日本テレビ系)は、図らずも、マスメディアのあり方を警告する内容になっていました。番組は、PCR検査を拡充することに反対しているようでした。もちろんそのような見方があってかまわないのですが、司会者には困ったものです。司会者であるにもかかわらず、その言動は感情的で威嚇的なものでした。PCR検査の有効性を否定することに、またアメリカ・ニューヨーク州の取り組みを批判することに、躍起となっていました。世田谷区の取り組みも一蹴していました。ゲストの発言をさえぎりながら厳しい表情でまくしたてる様子には、恐ろしささえ感じました。司会者としてはもちろんですけれど、日本人として品性に欠けるように思います。日本のコロナ対策のより良い方向性を、さまざまな角度から考えようとする真摯な姿勢は見られませんでした。

 

◆各テレビ局は、司会のし方、番組の作成のし方をよく振り返り、冷静で多角的な報道を心がけてほしいと思います。過度な政府批判は困ります。しかし、マスメディアが政府の代弁者になっても困ります。マスネディアが政府の別動隊のように機能すれば、日本は中国のような恐ろしい国になってしまうでしょう(香港はとんでもない状況になっています)。アメリカで自由と民主主義がかろうじて守られているのは、マスメディアのトランプ政権に対するチェック機能が働いているからです。

 

◆政府の迷走とマスメディアの混迷が、これからも続いていくのでしょうか?  新型コロナウイルス感染急拡大の中、私たちの息苦しさがさらに増していきそうで、怖いです。