世界史の扉をあけると2

<世界史の扉をあけると>の続編です

新型コロナ・データ:嗚呼、日本のPCR検査数(OECD調査)

 

OECD経済協力開発機構)が、加盟国のPCR検査数を発表しました(2020年4月28日)。「先進国」日本の検査数は、恐ろしいほどの少なさです。35か国中下から2番目でした。厚生労働省国立感染症研究所は、今まで何をしてきたのでしょうか?

 

★人口1,000人あたりのPCR検査数(件)

  イタリア     29.7

  ドイツ      25.1

  スペイン     22.3

  アメリカ     16.4

  韓国       11.7

  トルコ      10.7

  イギリス      9.9

  フランス      9.1

  ポーランド     7.4

  日本        1.8

 

★多くの人びとが気づかないできたのですが、日本は感染症対策後進国だったのです。政府も専門家も、知っていながら黙っていたのでしょう。検査の準備ができていなかったうえに、実施体制も十分に整備できないまま、2月、3月、4月と過ぎ去りました。

★専門家会議も何をしていたのでしょうか? 「37.5度以上の発熱が4日以上続いたらPCR検査を相談する」というようなずさんな指針を出してきました。平熱は人によって違いますし、4日待っているうちに悪化するかも知れません。しかも「PCR検査を受ける」ではなく「相談する」だったのです。感染しても無症状の人は調べようがありませんでした。

★政府にも専門家会議にも能力がなかったのかも知れませんが、それでは困ります。被害を受けるのは国民だからです。

 

★医療体制も、人的・物的に不十分であることは、誰の眼にも明らかです。

★検査体制・医療体制が一定程度整備され、経済的補償もなされる中で、自粛が呼びかけられるのであればよかったのですが……。

★国民に制度的な安心感がないまま、マスクさえ不足のまま、「長期戦の覚悟」や細々とした「新しい生活様式」が呼びかけられている、これが今の日本の状況だと思います。言わば、政府の今までの政策の不備を「国民のガマンとさまざまの工夫」で補っている、というような状況です。

★私たちの心的負荷・経済的負荷は、今後かなりのものになっていくのではないでしょうか。その中でバランスをとりながら、何とか生き延びなくてはなりません。